もののせかいのmonoです!
これから夏本番。手元に気軽に1台置いておきたいミニクーラー。ミニクーラーとは言っても大がかりなエアコンではありません。あくまでも水に濡らしたフィルターに風を通す簡単な仕組みです。冷風機とも言います。
知名度の高いミニ冷風機と言えば、なんといっても「ここひえ」ですよね。2021年ではなんとアップグレードしてR3となりました。
R3の開封レビューや仕様としてのR2との比較はこちらの記事に書いていますのでよかったらご覧ください。
ただ、R3は高いです。9,000円近くします。そしてミニ冷風機というジャンルはかなり誤解される製品とも言えます。先ほどの通り、エアコンではないので、エアコンの冷却能力を期待すると相当ガッカリします。あくまでも評価基準は扇風機であり、扇風機よりもわずかに涼しくて喜べるかどうか。そして扇風機よりも湿度上がっても良いか。このあたりでダメだと思ったら素直に窓用エアコンでも買いましょう。私はエアコンも買いましたけど、当然ながらエアコンは段違いに冷えます。
それでもこのブログで取り上げるのは、自宅を快適にしようとしている製品だからです。たとえそれが欠点があるとしても、その欠点を指摘して改善してくれればより良い製品にもなるだろうという期待もあります。
前回は上記の通り開封レビューを行いました。
今回は実際に風力計や温度計で計測してどの程度なのか、客観的なデータを基に評価したいと思います。
なお、2020年では次のような記事で他の冷風機とここひえR2を客観的なデータを基に評価していました。今回も同等の比較方法になります。R2に興味があるならこの記事もご覧ください。
風はどこまで届くのか?
R2もR3も説明書には30cm以内での利用を目安とするように勧めています。それで基本的には30cm以内での利用になるのですが、でも1~4まで風量調整があるんだから実際にはどこまで届くのだろう?って思いますよね。
それで実際に1~4段階で実際にどこまで風が届くのか風力計でチェックしてみました。風を体感できる最小限の風速であることと、この風力計の能力もあり、1.3m/sで計測できる最大距離を測ってみました。
ここひえR2とR3の結果は以下の通りです。
風量レベル | 1 | 2 | 3 | 4 |
ここひえR2 | 30cm(1.3m/s) | 40cm(1.3m/s) | なし | 100cm(1.3m/s) |
ここひえR3 | 30cm(1.3m/s) | 50cm(1.3m/s) | 80cm(1.3m/s) | 110cm(1.3m/s) |
この通り風量レベル4にすれば、1m離れてもわずかに微風ですが感じることが出来ます。R2とR3は計測上ではR3のほうが上になりましたが、これは誤差レベルです。前回のR3の開封レビューにもある通り、R2とR3ではファンの型番が同じですし、内部フィルターも同じ構造なので風力的には同じです。R3ではこれまでのR2の風量「弱・中・強」の「中」と「強」の間のレベル3が用意され、風量の調査結果も実際に2と4の中間距離となっています。つまり風力はR3のほうがより自然に調整しやすくなったと言えます。
音はどの程度うるさいのか?
スマホの騒音計測アプリで計測してみました。このアプリはスマホによって10dBは誤差があるので絶対値としてはそんなにあてになりませんがご参考までに。
R2とR3の比較はこちらです。つまり1,2,4は同じですので、R3はレベル3が入りましたが騒音については2と4の中間ではなく4寄りとなりました。この点は少し残念です。それでレベル4ってかなりうるさいのはR2からの欠点でしたがR3のレベル3も結構うるさいです。なので実用レベルとしては1か2ぐらいかなという感じで実はR2と変わりません。
1 | 2 | 3 | 4 | |
ここひえR2 | 38dB | 40dB | なし | 49dB |
ここひえR3 | 38dB | 41dB | 47dB | 49dB |
どれぐらい冷えるのか?
ここが一番大事な点ですよね。風量4で試してみました。開始時は気温27.2℃、天気は快晴。そろそろエアコンつけたいなという感じです。計測した時刻は13:30頃なのでこれから気温が上がるという頃です。
R2は前回計測値のため開始温度が異なりますが、冷却能力はR2もR3もだいたい約4℃下げる感じですね。ただこの写真の通り、30cmどころか本体に温度計をくっつけて計測していますので最大でこれぐらいと思った方が良いです。ちなみに公式サイトでは「吹出口最大-12℃」という大胆な宣伝ですが、現実的にはこの程度です。そして当然室内が冷えるということは無く、風が当たっているときだけ少しひんやりという感じです。
温度変化 | 冷却能力 | |
ここひえR2 | 26.6℃⇒22.5℃ | -4.1℃ |
ここひえR3 | 27.2℃⇒22.6℃ | -4.6℃ |
新機能の首振りは?
今回のR3の目玉機能と言っていいでしょう。70度左右に向きますが、実際にはこんな感じですので十分に実用的です。そしてこの首振り機能はGood!
風の流れが変わり、体にあたる部分も変わっていくので体感的に涼しく感じます。
まとめ
2021年にアップグレードしたここひえR3。
R2の欠点だった「強が極端に強い」という点を改良して風量を4段階に調節しましたが、ファンやフィルターの主要パーツが変わったわけではないため、風量についてはそれほどR3のメリットは感じないかもしれません。特に騒音では3も4もそれほど違いがありません。これはミニ冷風機のファンは風量を強めると騒音が大きくなるというトレードオフの関係のため、なかなか難しいところで調整に苦慮しているところが見られます。そのため実際にはレベル1,2あたりの「微風でひんやり涼む」のがここひえとの長い付き合い方であることに気付きます。でも、それはR2でもできることです。
それで一番のR3のメリットは首振り機能で、実際に体感効果が違います。R2が気に入っているなら、R3に買い替える、あるいはもう1台購入しても比較的満足できると思います。新しくここひえを考えている人は、微風のヒンヤリ感を感じ取る覚悟があるかどうかが購入の分かれ道になります。
ここひえは2022年にR4も登場。次の記事に開封レビューがありますのでご覧ください。
また、無印良品のミニ冷風機も見ておくと気づくことがいろいろあります。こちらにレビューしていますのでご覧ください。
それでは楽しく猛暑を乗り切ろう!